舞台で使う蹴破りを描くのもお仕事! 本番1回のために手描きしてるんです♪

劇団鯱の舞踊ショーでは蹴破りを使うものがいくつかあります。蹴破りというのは、文字通り裏側から破って登場というインパクトある演出をするための紙で作られた舞台セットです。

その月の公演によってちょっとずつ違う手描きの蹴破り

2024年1月の浪速クラブでも『鯱版 白浪五人男』の際に使用しました。白浪五人男は5人分の蹴破りが必要なので、5つ作らなければいけません。描いた次の日には破られてしまう儚い運命のセットですが、あるとないとでは大違いですよね。

ベースになる図案はあるものの、その時のフィーリングで一気に描き上げるものでもあるので、毎回ちょっとずつ趣が違います。

仕上げて乾かしている蹴破りに囲まれてテンションが上がるおにぎりあお丸

劇場によっては棟梁さんが描いてくださる場合もあるので、棟梁さんにお願いする場合と自分たちで描く場合の両方のパターンがあります。自分たちで描く場合は麗華が中心となって作業をします。

まずは蹴破りの枠に紙を貼る作業が必要。そこに簡単な下書きを施した後に、順番に色を乗せていきます。『鯱版 白浪五人男』の場合は今のところ黒・赤・蛍光イエローの3種類を使用していて、縁取りの蛍光イエローはいちばん最後に塗ります。

他にも『種子島大作』や『THE 忠治』などで蹴破りを使います。それぞれ使う色や図案が違いますが、鯱ファンの皆様にはどれももうおなじみですよね。慌ただしい舞台裏で、それらの蹴破りを毎回描いているんですよ〜!(描くのは楽しいです)

浪速クラブにはたくさんのお道具があってありがたいです

実際の舞台に置くとやっぱり雰囲気が変わる

描き上げて乾かしている時と、実際の舞台に置いて照明が当たっている状態では、やっぱり雰囲気が変わります。この形で皆様の目に触れるのは、蹴破られてしまうまでの短い時間です。

『鯱版 白浪五人男』は鯱ファンの皆様にはもうおなじみの定番人気ショーですが、どんなふうに破られるのかな? をワクワクしながら待つ時間、何度観ていても楽しいですよね! 役替えもあるショーなので、今回はこの後ろに誰が立っているのかな? を想像するのも楽しみな時間です。

5つの蹴破りからひとりずつ順番に登場します

今回のダイジェスト動画は『鯱版 白浪五人男』の蹴破り登場シーンだけを集めてみました! 名乗り口上からの蹴破りは毎回違う一期一会ですが、今回の動画では2024年1月の浪速クラブ版の蹴破りをご覧いただけます♪

舞台で使う蹴破りを描くのもお仕事! 本番1回のために手描きしてるんです♪

生で観てこその蹴破り!

蹴破りを生で観る迫力はなかなか動画では伝えきれません。まだ未体験の方はぜひ味わいに来てください。『鯱版 白浪五人男』はやるとなったら必ず蹴破りを使う演目ですので、この演目が予定に入ったら要チェック!

比較的どの劇場でもできる演目なので、出会う機会も多いかもしれません。次回と言わず、その次もその次もそのまた次も、ちょっとずつ違う手描きと蹴破り方を全部味わいに来てくださいね!

蹴破りのお役目完了!